サンダースがなぜ支持されるのか — 研究ノート

民主ワイオミング州党員集会でサンダース氏勝利、米大統領選 以下は、この記事を受けてNewsPicksに書きました。こちらではさらに詳述しています。 ーーーーーーーーーー 政治思想の観点から。 ハーバード大学のサンデル教授は、”What’s the right thing to do?”で有名になりました。これは古代哲学から現代哲学までの思想家(プラトン、アリストテレス、カント、ロックなど)の理論を基に展開される講義でした。 ところが、我々の「白熱教室」のイメージとは異なり、彼の政治思想の特徴は実際のところ「市場原理主義批判」です。つまり、リバタリアニズムを指弾するものです。行き過ぎた市場中心主義を攻撃すること。サンデルのすごさはこちらでとらえるべき。 サンデルは、市場中心主義を、《「市場経済」から「市場社会」への移行》と捉えています。それはつまり、生きるために必要な限りで金銭的な価値を用いて売買行為を行う−市場を用いて生きる(市場経済)−のは、人間のあり方として問題ないが、あらゆるものに市場価値が当てはめられた場合、モノの価値が著しく捻じ曲げられた社会(市場社会)になると言っています。例えば、顧問弁護士の様に毎月一定額を払うと優先的に診察してくれるコンシェルジュドクターと言われるものがあります。これは人の命を経済価値に落とし込み、患者の病状に関わらず金銭的に富んでいる人間が優遇されるために不正義なのではないかという議論です。このような生命倫理的議論を市場経済と連関させ、現実の市場中心主義に疑問を投げかけるものです。 こういった思想というのは社会の流れ−歴史の経過をバックグラウンドに構成されるものですから、サンデルの市場批判は現代アメリカ、ひょっとしたら大学院時代を過ごした、イギリスの思想傾向に多大なる影響を受けています。振り返ってみれば、功利主義で有名なジェレミー・ベンサムとジョン・ステュワート・ミルはイギリスの思想家ですから、彼らの子孫らの中で、功利主義−何らかの価値(現在ではお金)を最大化させようという思想−っておかしいよねという考え方が存在するということです。すなわち、市場のあり方が、人々の実感としておかしいと受け止められるようになっているということです。 そういった社会背景−思想背景−を考えれば、バーニー・サンダースがここまで支持を得るようになっているのは、納得できるものです。金融・市場の中心アメリカでこういった動きがあることに我々は極めて興味深いものと、分析し、今後どのようになるかを考える必要があります。というのも、現代金融・市場システムが放棄される確率がいくらかあるからです。

経由: サンダースがなぜ支持されるのか — 研究ノート

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