死者210万人

吉祥寺@ブログ since 2016

読売新聞にこんな記事が出ていた。

「北の核攻撃、東京・ソウルで死者210万人試算」という恐ろしい記事だ。引用させていただく。

『米ジョンズ・ホプキンス大の北朝鮮問題研究グループ「38ノース」は4日、北朝鮮が複数の核搭載ミサイルで東京と韓国の首都ソウルを攻撃した場合、死者が最大約210万人に達するとの試算を発表した。

 爆発威力がTNT火薬換算で15~25キロ・トンの25発の核ミサイルを2都市に発射したと仮定。東京で約20万~約94万人、ソウルで約22万~約116万人の死者が出るとした。ミサイル防衛による迎撃などを想定し、爆発成功率を20~80%として被害を見積もった。』

日本では、すっかり選挙モードになり北朝鮮関連のニュースが陰に隠れてしまった。アメリカも、ラスベガスで史上最大の被害を出した銃乱射事件の対応に追われている。

しかし、北朝鮮を巡る危険な状況は何も変わっていない。

そんな中、いくつか気になる記事が目に止まった。

一つは、ニューズウィーク日本版に載った「米朝戦争の落とし穴・・・・誘導兵器不足で必要以上の死者が出る」という記事だ。引用する。

『北朝鮮との戦争シミュレーションを進める米軍には思わぬ弱点があった。イランやシリアの空爆で誘導兵器を使い過ぎ、開戦後1週間で底を突く見通しだ。
米軍が北朝鮮と戦う場合に備えて計画を練るなか、米国防総省と米議会は厳しい現実に直面している。もし米朝戦争が起きれば、太平洋軍が備蓄する誘導爆弾や誘導ミサイルは1週間足らずでなくなってしまう恐れがあるという。

匿名を条件に本誌の取材に応じた複数の関係筋によれば、米軍は誘導爆弾や誘導ミサイルが底をつけば、精度の劣る無誘導爆弾による攻撃に頼るしかなく、その結果、両軍ともに死者が増えるのは確実だという。

■地上から狙われると弱い米軍パイロット

無誘導爆弾を投下するにはパイロットは低空飛行で標的に接近する必要がある。敵の地対空ミサイルに撃墜される危険はそれだけ増す。米軍のパイロットの大多数は、イラクやアフガニスタンで10年以上そうした危険がないまま飛行しており、地対空ミサイルを回避した経験がほとんどないため、北朝鮮からの攻撃で撃墜される可能性が高い。

無誘導爆弾は当然のことながら命中精度が低く、標的を外して誤爆被害を引き起こす確率も高い。誘導爆弾とミサイルの補給には、最長で1年かかるため、それだけ戦争が長引くことになる。

そうなれば、北朝鮮は韓国の首都ソウルに大砲やミサイルの一斉砲撃を行う恐れがあると、米シンクタンク、ディフェンス・プライオリティーズの軍事専門家で退役軍人のダニエル・デービス中佐は言う。ソウルと周辺地域の人口は2500万人で、朝鮮半島を南北に分断する軍事境界線から南に約55キロしか離れていない。いくつかの推計によれば、双方が攻撃をエスカレートさせて核戦争になれば、民間人の死者は100万人に上るとみられている。

国防総省の作戦立案者がこの困難なシナリオと格闘する間にも、ドナルド・トランプ米大統領は北朝鮮の核・ミサイル開発問題をめぐって、金正恩国務委員長を相手に脅しや侮辱の応酬を続けている。こうした罵り合いが、避けられたはずの戦争を引き起こすのではないかと、多くの米政府高官は恐れている。

トランプは10月1日、レックス・ティラーソン米国務長官が米朝間の対立を緩和するために北朝鮮と直接対話のチャンネルはあると発言したのに対し、北朝鮮と交渉するのは「時間の無駄だ」とツイッターで一蹴。金正恩を再び「小さいロケットマン」と呼んで侮辱した。

9月に北朝鮮が米本土に届くICBM(大陸間弾道ミサイル)に搭載可能な水素爆弾の核実験を実施した後、トランプは北朝鮮を「完全に破壊する」と脅し、その時に初めて金正恩を「小さいロケットマン」と呼んだ。北朝鮮はトランプのことを「狂った老いぼれ」だと言い返し、太平洋上で水爆実験を行う可能性に言及。さらに、アメリカの戦略爆撃機がたとえ国際空域を飛行中でも、自分たちには撃墜する権利があると言った。

アメリカが北朝鮮と戦争する瀬戸際まで来たのは、今回が初めてではない。米軍は1994年、ビル・クリントン元米大統領の命令で、北朝鮮に巡航ミサイルとステルス爆撃機を派遣して寧辺の核施設を空爆する計画を進めていた。核爆弾の燃料となるウラン濃縮活動をやめさせるためだ。結局、攻撃すれば全面戦争になると判断したクリントンが最終的に軍事攻撃を断念。その代わり、国連安保理による制裁強化で北朝鮮への圧力を高めることに力点を置いた。

だがトランプ大統領の下では、米朝戦争の危機が一層差し迫って見える。ジェームズ・マティス米国防長官は9月、北朝鮮に対して核・ミサイル開発をやめるよう通告した。マティスはさらに、北朝鮮がアメリカや同盟国を攻撃すれば、アメリカは北朝鮮を全滅させると警告。「北朝鮮の全滅を望んでいるわけではないが、我々には多くの軍事的選択肢がある」と言った。

マティスは恐らくこの発言で、米軍が核兵器で反撃する可能性を示唆したのだろう。だが国防総省は、核攻撃という破滅的なシナリオに至らずにすむ軍事的選択肢も持っている。国防総省は、北朝鮮が通常兵器でアメリカの同盟国を攻撃した場合、韓国や日本、米海軍の艦船に配備するミサイル防衛能力を総動員して迎撃する構えだ。ただし専門家は、北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃するのは技術的に困難ではないかと疑っている。

■サイバー攻撃も模索

米情報機関も北朝鮮の核開発を止めるため、核施設にサイバー攻撃を仕掛ける方法を模索中だ。実際にアメリカは、イスラエルと共同開発したコンピューターウィルス「スタックスネット」を使って、2010年にイランの核施設を一時使用不能に追い込んだと信じられている。

もし米情報機関の分析で、北朝鮮が大気中で核実験を行う兆候が分かれば、米軍が北朝鮮のミサイル発射台を標的に空爆を行うことも選択肢になる。そうした空爆では、レーザー誘導、レーダー誘導、熱誘導、GPS誘導など、命中精度が高く米軍が好んで使う精密誘導爆弾やミサイルを使用することになるだろう。

だが国防総省は、そうした誘導兵器の不足に苦労している。イラクやシリアにおけるISIS(自称イスラム国)の掃討作戦で使用頻度が上がったことが原因の1つだ。米政府関係者は、誘導爆弾の不足が、北朝鮮と空中戦を戦う米軍の能力にどれほど影響を与えるかについて、表立ったコメントはしない。だが匿名の関係筋は、もし米朝戦争が起きれば、不足はすぐに明るみになると言う。「あらゆる精密誘導兵器の備蓄があっという間になくなり、粗悪な無誘導爆弾の使用に逆戻りするだろう」と、米議会のある軍事専門家は言う。

誘導爆弾や誘導ミサイルを1週間以内に使い切ってしまう可能性があるかと尋ねると、米議会の軍事専門家は、「そうなっても全く驚かない。第一に、米軍は現時点で多くの精密誘導爆弾を紛争地域で使っている。第二に、こうした兵器の数はそもそもあまり多くない。土壇場になって、足りないことに気づくことになるだろう」。ほかにも、複数のアナリストがこの分析に同調している。

とはいえ、すべての専門家が同意見というわけではない。退役して間もないある空軍幹部は、匿名を条件に取材に応じ、誘導爆弾が1週間以内でなくなるという予測に疑問を呈した。「本当にそんな状態なのか。わが軍には、必要な兵器を必要な場所に運ぶ能力が備わっている」

■中東で毎日100~200発投下

しかしヘザー・ウィルソン空軍長官は先日公開の場で、誘導爆弾や誘導ミサイルの不足が切迫した問題になりつつあるとの見解を明らかにした。米軍はイラクとシリアにおいて、これらの兵器を毎日100~200発のペースで使っている。「だが、投下するのと同じペースでは補充できない」と、ワシントンで行われた国防関連の会議で語った。

国防総省は、空爆のペースを維持するために、世界各地の統合軍に配備されていた誘導兵器をを移送せざるを得なくなっている。ISIS(自称イスラム国)への空爆作戦が始まった2014年8月以来、アメリカ軍が使った誘導兵器の数は累計5万4000発以上。元米空軍幹部でその後下院議員に転じたウィルソンは、前述の会議において、「誘導爆弾は手薄な状態にある」と認めた。

米軍はこの問題をかなり前から察知していた。国防総省は2018年度の予算要求で、ロッキード・マーティンが生産する空対地ミサイル、ヘルファイアを、2017年の1500発から、2018年には3600発と、2倍以上に増やす提案をした。また、ボーイングおよびレイセオンが生産する精密誘導装置を備えた小口径直径爆弾も、2017年の4500発から2018年の7300発への増産を求めた。

国防関連企業が必要としているのは、増産を可能にする投資であり、それを可能にする予算の確実な執行だと、ウィルソンは訴えた。ただし、これが実現したとしても、国防産業が実際に増産にこぎつけ、兵器不足が軽減されるまでには少なくとも1年はかかると、2016年に発表された国防総省報告書は述べている。

しかしながらトランプは、最近投稿した一連のツイートが真意だとすると、北朝鮮との対立をさらにエスカレートさせるつもりのようだ。自らの指揮下にあるアメリカ軍トップや外交官が、もっと時間をかけ、慎重に事を進めるよう望んでいるとしても、この大統領は意に介しそうにない。』

アメリカ軍が北朝鮮攻撃の作戦を練っていることは間違いないだろう。さすがにアメリカ人の記者は戦争慣れしている。淡々と軍事力分析をするこうした記事は日本ではなかなかお目にかかれない。その分だけ真実味があり、恐ろしい。

もう一つ気になったのが、中国の専門家である遠藤誉さんのコラムだ。「北朝鮮はなぜ日本を狙い始めたのか」というこちらも恐ろしいタイトルが付いている。引用させていただく。

『北朝鮮が日本をターゲットにし始めた。その理由は簡単。中国が北の先制攻撃に軍事的警告を発したのは「アメリカ領」であって、「日本」ではないからだ。中国の報復攻撃に怯えている北は、反日中国を意識している。

◆環球時報の北に対する警告を熟読してほしい

筆者は何度も中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹紙である「環球時報」が北朝鮮に対して警告を発したことを書き続けてきた。たとえば、

●8月13日付けコラム「米朝舌戦の結末に対して、中国がカードを握ってしまった」

●8月15日付けコラム「北の譲歩は中国の中朝軍事同盟に関する威嚇が原因」

●9月4日付けコラム<中国が切った「中朝軍事同盟カード」を読み切れなかった日米の失敗>

などである。

 もう一度、その部分を復習しよう。

 8月10日、中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹版「環球時報」は社説として以下の警告を米朝両国に対して表明した。

 (1)北朝鮮に対する警告:もし北朝鮮がアメリカ領を先制攻撃し、アメリカが報復として北朝鮮を武力攻撃した場合、中国は中立を保つ。(筆者注:中朝軍事同盟は無視する。)

 (2)アメリカに対する警告:もしアメリカが米韓同盟の下、北朝鮮を先制攻撃すれば、中国は絶対にそれを阻止する。中国は決してその結果描かれる「政治的版図」を座視しない。

 (3)中国は朝鮮半島の核化には絶対に反対するが、しかし朝鮮半島で戦争が起きることにも同時に反対する。(米韓、朝)どちら側の武力的挑戦にも反対する。この立場において、中国はロシアとの協力を強化する。

 この内の(1)と(3)は、北朝鮮にとっては存亡の危機に関わる脅威である。もし北朝鮮がグアムなどのアメリカ領を先制攻撃してアメリカから報復攻撃を受けた場合、中国は北朝鮮側に立たないということであり、その際、ロシアもまた中国と同じ立場を取るということを意味する。

 北朝鮮にとって中国は世界で唯一の軍事同盟を結んでいる国なので、中国が「中朝軍事同盟を無視する」と宣言したとなれば、北朝鮮は孤立無援となる。北朝鮮の軍事力など「核とミサイルと暴走」以外は脆弱なものだ。韓国や日本には大きな犠牲を招くだろうが、アメリカと一国で戦えば全滅する。したがって14日、グアム沖合攻撃は延期(実際上放棄)することを表明した。

 この文章をしっかり頭に入れていただきたい。

◆「日本領」とは書いていないことに注目すべき

 肝心なのは、環球時報の警告文の中には、「日本領」とも書いてなければ、「在日米軍基地」とも書いていないことである。すなわち

「北朝鮮が日本あるいは在日米軍基地を先制攻撃して米軍による報復攻撃をした場合、中国は中立を保つ」

とは書いてないことである。

 中国はあくまでも安倍政権が軍国主義の方向に向かっているとして、中央テレビ局CCTVでは日本よりも詳しく安保関連法案や憲法改正(特に九条)などに関して毎日のように報道してきた。「モリカケ」問題に関しても特集を組んだり、反安倍報道なら、喜んで報道する特徴を持っている。

 どんなに「日中雪解け」的な報道が日本であったとしても、それは一帯一路に日本を組み込みたい中国の魂胆があるだけで、「反日」の姿勢は絶対に代わらない。中国共産党の一党支配体制が崩壊するまで、その要素は絶対不変だと筆者は断言できる。中国の地に生を受け、革命戦争を経験し、毛沢東思想の洗礼を受け、76年間、この中国共産党との葛藤を続けてきたのである。それを学習できなかったとすれば、生き残ってきた意味さえないではないか。これは筆者の生涯を賭けて苦しんできた闘いの結果、初めて出せる結論なのである。

 習近平にとっては反日を叫んでいなければ、「毛沢東が建国前の日中戦争において、日本軍と共謀していた事実」が明るみに出る。これだけは絶対に避けたいために言論弾圧をヒステリックなほど強化している。グローバル化が進めば進むほど、「嘘をつき続けることが困難になる」からである。

 だから中国は決して北朝鮮に「北朝鮮が日本あるいは在日米軍基地を先制攻撃して米軍による報復攻撃をした場合、中国は中立を保つ」とは言わない!

 金正恩もまた、このニュアンスは嫌というほど「理解」しているはずだ。

 だから、もしかしたら中国による北朝鮮に対する武力攻撃があるかもしれないと察知した北朝鮮は、中国が政権の中心に置いている「反日姿勢」に迎合することを選んだのであろう。反日国家を武力攻撃するのは、中国にも躊躇が生まれる。尖閣を奪うためにも不利となるからだ。

 結果、金正恩にとって、「反日は(中国に対する)最高の保身」となるのである。

 韓国も「反日」を叫んでいる限り、安泰だ。中国に保護される。

◆日本は「反日の根深さ」を見逃さないように

 日本のメディアは最近、「なぜ北朝鮮は日本をターゲットにし始めたのか」に関して苦労しながら分析しようとしている。そのいずれも的を射ていない。

 それは中国の本心も北朝鮮の建国時の姿勢をもご存じないからだろうと思う。

 中国の革命戦争を潜り抜け、朝鮮戦争の時は戦火の延吉で朝鮮族とともに日々を過ごした筆者としては、せっかく生き延びているのだから、少しでも自分の原体験を活かして、日本の役に少しでも立つことが出来れば、生き残った甲斐も少しはあるのかと、私見をしたためた。

◆米中は圧力と対話で共通認識

 なお、10月2日付けのコラムで<中国が北朝鮮を攻撃する可能性が再び――米中の「北攻撃」すみ分けか>と書いたが、これは決して「武力攻撃」が決定的となったという意味ではない。あくまでも「万一にも米軍の先制攻撃となった時には、中国が米軍に代わって北朝鮮を武力弾圧する」という意味であって、中国はロシアとともに基本、「対話による解決」を掲げている。

 ティラーソンの発言は、この中国の「対話による解決」にも、臨機応変に対応しているということだ。そして中国は米軍の武力行使にも、やはり臨機応変に対応し、米中が話し合いの上で呼応しながら動いていることを言いたかっただけである。

 中国が先制攻撃をした場合は、当然北朝鮮には中国に都合のいい政権を創建することになるので、ロシアとしても文句はないだろう。そのために中露は今年7月に(平和のために)共闘することを誓った共同声明を出している。

 中国は北朝鮮に経済繁栄をもたらす改革開放体制を望んでいる。これはトウ小平以来の念願でもある。米軍は韓国に駐在する必要も無くなり、「新米中蜜月」の中で、中国はやがて世界のトップに躍り出ようという野望を持っている。

 ロシアは中国を介してアメリカとは、ほどよく友好的になる可能性を持っている。

 このシナリオの中で、中国が何としても絶対に譲らないのは「反日姿勢」である。

 中国共産党が日中戦争において日本軍と共謀していた事実が明るみに出ないようにするために、それだけは貫徹する。日本の真の平和は、中国の民主化によってしかもたらされない。

 日本の政治家は、大局的視点を持っていただきたい。

 「習近平が会ってくれる」とか「訪日して下さるかもしれない」などということを政権の宣伝に使うなど、情けないではないか。毅然と、現実を客観的に見る根性と思考力を望む。』

中国が北朝鮮を攻撃するなどというオプションは考えたこともなかったが、最近の中国は確かに態度を変えている。自国の利益が最優先であり、北朝鮮有事は中国にとっても重大な局面なのである。

世界一の軍事力をトランプという予想不可能な人間が握っている。この事実を前に、世界の指導者たちはこれまでとは違う決断を迫られるのかもしれない。

日本や韓国の頭越しにアメリカと中国が手を結ぶという恐ろしい未来も、決してあり得ないとは言えない気がしてきた。

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